シャボン玉を使った実験
「青少年のための科学の祭典」で行った展示実験の記録です。身近な素材である「シャボン玉」を使った実験を行いました。
割れないシャボン玉? 〜気体の重さを考える
信州大学理学部 飯山 拓、吉留昭仁、松村祐宏
ドライアイスとシャボン玉を使って、割れずに、けむりの上に浮かぶシャボン玉を観察してみましょう。
やりかた
大きな洗面器に水を少し入れ、ドライアイスを入れると白い煙が出てきます。洗面器の中に煙がたまるのを待って、煙を飛ばさないようにそっとシャボン玉を吹き入れて見ましょう。
実験の様子
気体の重さ
ふだんは感じませんが、空気のような気体にも重さがあります。
右の図は、いろいろな気体の1リットルあたりの重さです。 上にかいてあるものほど軽く、下にあるものほど重い気体です。ヘリウムや都市ガスなどの気体は空気より軽いので上に行こうとします。手を離すと飛んでいってしまう風船は中にヘリウムが入っているので空気の中を上に上に行こうとします。風船よりもっと大きな飛行船も同じ仕組みで空に浮くのです。
シャボン玉の中に入っているのは空気(※)です。そしてドライアイスは空気よりも重い二酸化炭素でできています。この実験では、重たい二酸化炭素の気体の上に、それよりも軽い空気でできたシャボン玉が浮かぶのです。
[問題] ヘリウムガスでできたシャボン玉で同じ実験をしたらどうなるでしょうか?
※ 人の吐いた息には空気よりも少し二酸化炭素が多く含まれていますが、その割合はそれほど多くありません。それからシャボン玉の膜は液体でできているので、本当はその分も考えなくてはなりません。さらにシャボン玉の膜は少しづつですが気体が通り抜けてしまいます。そのためずっと待っていると・・・
2007.11.7 体積と重さの関係が間違っていましたので修正しました。(名古屋市・中村様のご指摘による)
実験の様子 (動画)
実験の様子をうつした動画です。
動画を再生するためにはWindows Media Playerなどのプレーヤーが必要です。
ISDNなど通信速度が遅い場合はタイトルのところで右クリックして「対象をファイルに保存」としていったんダウンロードし、そのファイルを再生するとうまくいくと思います。
ドライアイスの煙の上に浮かぶシャボン玉 (5.5MB, AVI format)
シャボン玉がバウンドしながら煙の上に浮いています。
ドライアイスの煙の上に浮かぶシャボン玉 (4.1MB, AVI format)
小さな女の子が挑戦しています。シャボン玉が合体するところが写っています。
透明な筒を使って実験 (10.2MB, AVI format)
二酸化炭素が逃げないように筒を使うと、浮かぶ様子がよりはっきり分かります。白い煙(正体はドライアイスにより冷やされてできた水滴)よりもずっと高いところでシャボン玉が浮いています。バックには下の「整列するシャボン玉」の実験も写っています。
実験に使ったもの
- ドライアイス
ドライアイスは直接手で触れると低温やけどをする危険があります。実験中は換気に注意し、密封容器に入れないなど、取り扱いには十分注意してください。
松本市内では(株)ヤマサ(松本地方卸売市場向かい・松本市笹賀7600-22)等で購入することができます。(1kg 400円程度) - 大きな洗面器
- 透明な筒 (樹脂シートを丸めて作成)
- シャボン玉を作るためのストロー
- シャボン玉溶液 (「割れないシャボン玉」用) 1リットル分
- 台所用洗剤(P&G パワープラスジョイ 界面活性剤41%) 100g
- 洗濯のり(大和食品工業 チックス ポリビニルアルコール10%) 350g
- 水道水 750ml
- 砂糖少々
上記のレシピで作成したしゃぼん玉溶液は、丈夫で大きなしゃぼん玉を作るのにも適していましたが、液を調製してから2日ほど経つとしゃぼん玉が割れやすくなってしまうようです。
整列するシャボン玉? 〜かたちのふしぎ
信州大学理学部 飯山 拓、吉留昭仁、松村祐宏
水面に浮かべた泡を観察して、かたちのふしぎについて考えてみましょう。
やりかた
せっけん水をひろめの器に入れ、金魚ポンプにつないだチューブの先を沈めます。 できるだけ一定の大きさの泡ができるように調整して、泡が並ぶ様子を観察しましょう。 この実験では透明な容器を使い、OHPを使って、泡の並ぶ様子がスクリーンに拡大して投影できるようにしました。
実験の様子
なぜ並ぶの?
上の写真は、大きさのそろった泡(あわ)を水面上にたくさん並べたときの写真です。きれいに泡が整列していることが分かります。ひとつひとつばらばらに浮かんでいるときの泡のは丸くて、六角形をしているわけではないのに、どうしてこのようにきれいに並ぶのでしょうか?
ひみつは泡と泡の間に働く引力(いんりょく=引き合う力)です。泡をよく観察すると、泡同士は引き付けあっていることが分かります(下の動画も見てみてください)。泡は引き合っていますので、できるだけお互いに近くにいようとします。たくさん泡がいるときには、上の写真のようにきれいに整列するのが一番お互いの距離を近づけることができるのです。
この実験から、一見何の特徴もない丸い泡が、写真のような六角形の整った形を作り出していることがわかります。私たちの身の回りには、六角形の雪の結晶や四角形の塩の結晶など、驚くほど整った形をしているものがあります。それは物質をつくっている原子が、この実験と同じようにきれいに整列することから生じているのです。
実験の様子(動画)
実験に使ったもの
- 金魚ポンプ (ホームセンターで売っている800円くらいのもの)
- 1/8インチステンレスチューブ(泡の大きさをそろえる)
- ドライヤー(水面上で泡を送るため)
- スタンド、クランプ(ドライヤー固定用)
- 水槽(今回はOHPで投影するためアクリルで作成)
- スライダックトランス(電圧調整用 10V程度で使用)
- せっけん水(「整列するシャボン玉」用) 1.5リットル分
- 台所用洗剤(P&G パワープラスジョイ 界面活性剤41%) 60g
- グリセリン (純度95%) 30g
- 水道水 1500ml
参考文献
- 固体化学1 〜図で理解する構造 (丸善) (ISBN4-621-04628-4)
「整列するしゃぼん玉」の実験法について詳しく紹介されています。 - ムーア 物理化学(下) (東京化学同人) (ISBN4-8079-0003-X)
水中シャボン玉? 〜いろいろな「あわ」
信州大学理学部 藤尾克彦、小林英宏
ほとんどの人はシャボン玉をつくったことがあると思いますが、水の中にシャボン玉を作ったことのある人はあまりいないのではないでしょうか。中に空気のつまった泡ではありません。中にも水が入ったシャボン玉ができるのです。
用意するもの
- 台所用液体洗剤、水
- 透明なコップとストロー
- 水彩絵の具などの水に色をつけるもの(紫キャベツから取り出した色素を使うと色の変化が楽しめます。)
- ガムシロップまたは砂糖(中の水の比重を大きくするのに使用します)
やりかた
- シャボン液の作り方
コップに水を8分目ほど入れ、液体洗剤を10滴加えて、泡が立たないように注意しながらよく混ぜます(溶液1)。
溶液1と同じものを作り、スプーン1杯のガムシロップを加えてよく混ぜます(溶液2)。
色つきのシャボン玉を作るときは、溶液1と同じものに絵の具や紫キャベツの液を加えたもの(溶液3)を使います。 - 紫キャベツの液の作り方
千切りにした紫キャベツをボールに入れてお湯をかけます。お湯が冷めるまでおいておくと、紫色の液ができます。 - 実験1
溶液1にストローを3cmほど入れ、ストローの口を指で押さえます。指で押さえたままストローの先を水面から出し、1cmほどの高さから液を落とします。水中シャボン玉はできましたか?上手にできるまで練習しましょう。 - 実験2
溶液2をストローで取り、溶液1に落としてみましょう。実験1に比べて水中シャボン玉はどうなるでしょう? - 実験3
溶液3をストローで取り、溶液1に落としてみましょう。色つきのシャボン玉ができましたか?水中シャボン玉がどのようにしてできているかよく観察しましょう。
実験の様子(動画)

水中シャボン玉 (11.8MB, AVI format)
実験3のようすです。
わかること
普通のシャボン玉は、空気を水の薄い膜で包んだものです。水中シャボン玉は、逆に水を空気の膜で包んだものです。色つき水中シャボン玉をよく観察すると、色の付いた水のまわりに空気の膜があることが分かります。
ガムシロップを入れて中の水の比重を大きくしてやると、シャボン玉は水中を漂ったり、底に沈んだりします。
紫キャベツの色素で色をつけた場合、溶液1に食酢や重曹を加えておくと、シャボン玉が割れたときに色の変化が起こります。
参考となるホームページ
色付きシャボン玉は原田正治教授(広島文教女子大学)のアイデアです。
(http://www.miraikan.jst.go.jp/idea/head_04_02.html#jikken03)

